ヘンプクリートはいつ誕生したのか?
最近、世界中で注目を集めている建材の一つに、環境にやさしい「ヘンプクリート」があります。
ヘンプクリートは1980年代にフランスで開発され、中世に建てられた歴史的建造物の修復使われ始めました。オリジナルの木造フレームを補強するにはコンクリートは重すぎ、通気性も確保できず、建物の美観を損なう可能性がありました。こうした課題を解決するためにヘンプ繊維と石灰(ライム)を組み合わせた建材が注目され、古い建物を損なわずに補強できる素材として評価されたのです。
材料のヘンプは古代から人々の生活に使われてきました。古代メソポタミアやエジプトでは、ヘンプ製のロープが使われ、アジアでも紀元前8000年には布や食料、紙、医療などに利用されました。
桑原ヘンプクリートのある英国でも、ヘンプは古くから大切な作物でした。1533年には、ヘンリー8世王が農民にヘンプ栽培を義務付け、作地の一部でヘンプを栽培することを命じました。人々はヘンプで税金を支払うこともできたのです。収穫されたヘンプはその耐久性と塩水に強い性質を生かし、海軍の帆やロープ製造に重宝されました。
現代の英国でも、適切なライセンスを取得することで商業目的でヘンプを栽培できます。栽培されたヘンプは、繊維、食料、生分解性プラスチック、塗料、断熱材、バイオ燃料など、様々な製品に加工され、石油製品の代替品として注目されています。
近年、ヘンプがとくに注目されている理由は環境負荷の低さです。ヘンプは栽培過程で大量のCO2を吸収し、ヘンプ製品の製造過程においてもエネルギー消費量が少ないため、環境に優しい素材として評価されています。産業用ヘンプの栽培規制緩和により、今後はさらに普及していくことが期待されているのです。
桑原ヘンプクリートでは、人に優しくサステナブルな住まいを提供するために、ヘンプクリートを使った住宅づくりに取り組んでいます。